全国に店舗展開する企業のデジタル領域を改革

ハードオフコーポレーションさまには文化があります。創業よりもうすぐ50周年を迎える文化、リアル店舗を磨き続けてきた文化、フランチャイズごと・店舗ごとの文化、リユースのプロとしてスタッフを育成してきた文化、コアなファンであるお客様を大切にする文化……それらを複合した結果として、今のハードオフグループ全体としての価値が形成されていると、フラーは考えています。
フラーは、そんなハードオフコーポレーションさまのデジタル領域を改革するにあたり「文化を理解すること」を大切にしています。ただ再形成するのではなく、洗練させてより強みを活かすことが”Re”NK CHANNEL構想の実現に必要なことだと確信しているからです。そのため、プロジェクトメンバーも店舗に頻繁に通い、スタッフに話を聞く場もたくさんいただいています。新店舗のグランドオープンにも参加させていただき、店舗スタッフの熱量を直に感じながら、お客様が3時間以上前から並んで開店と同時に「宝探し」をする中で、一緒になって掘り出し物探しも楽しみました。
そうして理解した文化を元に、店舗スタッフ・フランチャイズ・ハードオフコーポレーションの構想推進担当者と共に、ハードオフグループの一員として”Re”NK CHANNELを創っています。

“Re”NK CHANNEL構想において、中心となるのはリアル店舗です。そのリアル店舗に最も近いプロダクトが、『ハードオフ公式アプリ』。フラーが全面リニューアルを手掛けたこのアプリは、特に店舗での「楽しさ」という体験にフォーカスしています。店舗に通うファンも多いハードオフグループでは、ファンであるお客様より「一種のテーマパークである」と表現されることもあるほど、店舗に楽しさが凝縮しています。その楽しさをアプリでも再現し、ファンの方はより一層のファンに、そうでない方はファンになっていただけるように——そんなことを意識しながら開発を行っています。
店舗へのチェックイン機能と連動して、全国津々浦々の店舗を訪れた軌跡を記録する「ハドフめぐり」という機能は特に、元々ファンの方々が楽しんでくださっていた「色々な店舗をめぐって自分だけの掘り出し物を見つける」という楽しみ方を、公式アプリとして後押しする機能です。
これからも、ファンの皆さまと一緒に「ハードオフ」という文化をより楽しくワクワクするものに育てていきたいと考えています。

『オファー買取』は、家にあるモノを手軽に出品することができ、出品したモノに対して、全国のハードオフグループ店舗から買い取り依頼（オファー）が来るアプリです。
C2Cフリマサービスの認知度が上がった現在、モノの購入時に「売り」を意識するほどユーザーの意識も上がった反面、価格交渉や独自の文化といったコミュニケーションを面倒だと思われる方も増えています。
そんな状況において、900を超える店舗を運営するハードオフグループならではの視点で生まれたのが、このサービスです。日頃、リアル店舗で買い取りを行っているプロのスタッフによる査定を、アプリを通じて提供いたします。そうすることで、コミュニケーションによるストレスを極限まで減らした体験を創りたい、そんな意識で開発に努めています。
また、ユーザーと店舗スタッフ双方が使っていて快適な仕組みとするため、私たちは、ユーザー目線と同じくらいスタッフ目線を重要視して開発を進めており、店舗スタッフが利用するオファー買取用の業務システムは、複数店舗のスタッフからのヒアリングを元に刷新しています。
通常ならば運用頼みになりがちなスタッフ向けの業務システムに関しても、スコープに入れひとつのサービスとして捉えることで、「オファー買取」に携わるすべての人が気持ちよくサービスを楽しめるよう、メンバー全員が視野を広く持って開発を進めています。

フラーはアプリ開発だけでなく”Re”NK CHANNEL構想の実現に向けて、ハードオフコーポレーション子会社のリンクチャネル社に開発組織を内製化するための採用・教育のサポートから、プロモーションについての企画提案まで、幅広い事業領域で戦略を共に検討して進めています。
特に公式アプリの場合は、店舗も一体となったプローモーションのため、アプリのリニューアルリリースに合わせて店頭に貼る紙ポスターのデザインディレクションも担当しました。従来のデザイン制作会社さんとも協力して、リアルとデジタルで統一感のあるプロモーションとなるよう意識しました。

そして構想実現の元になる戦略は、ハードオフコーポレーションさまとフラーの間で認識のズレが出ないよう半期ごとに検討会を開催し、定期的に振り返りアップデートする体制を取っています。まる1日かけ、膝を突き合わせてじっくり話し合います。